FC2ブログ
*義務教育9年間連続した学びのある教育の取り組みについて

【油原】議会文教福祉委員会で「つくば市の小中一貫教育」について研修をさせていただきました。つくば市では「子供の成長の連続性の保証」「中一ギャップの解消」「学校の適正規模化への対応」などの必要から、平成21年4月、市として小中一貫教育を掲げ、平成24年4月から中学校区を基盤とした学園名を決め、市内全小中学校で小中一貫教育を実施しています。「小中一貫教育の目指すものは」との質問に、「つくばスタイル科の取り組みにある」とのお答えがありました。つくば市の充実した都市機能、豊かな自然、科学のまちならではの知的環境を共に享受しながら、茨城県内TX沿線地域ならではの新しい暮らし方を「つくばスタイル」と称しています。このつくばスタイルを担う次世代を育成するための教育面における手段として、つくばエリアならではの知的資源を活用し、発信型プロジェクト学習を行うカリキュラムが「つくばスタイル科」と言われております。つくばスタイル科は総合的な学習の時間の目標を踏まえつつ、「つくば次世代型スキル」の育成を目標とする新しい教科であり、発信型プロジェクト学習と外国語活動から構成されている。発信型プロジェクト学習では、三つの学びのステップ、In・About・For、課題を見つける・情報を集める・何ができるか考え、発信することを充実させ、自然・地域素材、大学・研究所、先進的ICT、小中一貫による学びの連続性という市の教育資源を活用しながら、8つの内容、環境、キャリア、歴史文化、健康安全、科学技術、福祉、豊かな心、国際理解に係る学習を展開し、思考に関するスキル、行動に関するスキル、手段・道具を活用するスキル、世界市民としての力の「つくば次世代型スキル」の習得をする。外国語活動(1学年から6学年)では、外国語を使った言語活動を通して、つくば次世代型スキルの「言語力(コミュニケーション)」を育むとしております。こうした「つくばスタイル科」の取り組みをどう評価、認識されているのか、また「つくばスタイル科」を踏まえた龍ケ崎市の取り組みと課題についてお伺いします。

【教育部長】小学校と中学校が目指す子供像を共有し、9年間の連続した教育課程を編成し、系統的な教育を実践する小中一貫教育を行う上で、その核となる自治体独自の教科を策定している取り組みの先進的な事例であります。本市においても、小中一貫教育の実施に向けて研究を進めてまいります。各中学校区の小中連携協議会で小中連携教育の成果と課題を精査するとともに、小中連携や小小連携の中で学び方や生活スキル、教科や領域のカリキュラム等、義務教育9年間を見据えて資質・能力の育成を図っていきたいものを中学校区ごとに設定し、実践研究に取り組んでまいります。

【油原】「つくばスタイル科」、「つくば次世代型スキルの習得」を展開する中で学力向上につながったのかとの質問に対して、全国学力調査では、春日学園義務教育学校の平均点数は、日本一の福井県の平均点数を上回っているとのことでした。つくばスタイル科の始まりは、「総合的な学習の時間が小・中学校の連続性を意識した系統的な指導となっていなかった」「同学年における教科間の内容の重なり、目標・指導内容・指導方法が9年間を見通したものになっておらず、学年間の指導が連続性に欠けていた」「総合的な学習の時間の体験がイベントで終わっていた」など、学校内で行われている教科間における学習内容の重なり、異学年の学習内容の不統一などの課題解消を図ることから、小中一貫教育の視点、また、学びの連続性を持たせて系統的に指導できるように、つくば市ならではの学習を9年間見通した特別な教育課程を編成したのが「つくばスタイル科」です。どこの自治体の小・中学校にもある共通した課題なのではないでしょうか。「つくばスタイル科」の、環境・キャリア・歴史文化など、9年間連続したカリキュラムの中で、「課題を見つける」「情報を集める」「何ができるか考える」このような取り組みが問題発見力、創造力など「つくば次世代型スキル」が育成され、学力向上に良い影響を与えているのではないでしょうか。9年間連続した学びのある教育は小中一貫校でなくてもできることです、義務教育9年間連続した学びのある教育で21世紀型スキルを身に付けるよう、龍ケ崎独自のカリキュラムの再編成を検討したら如何でしょうか。

【教育長】カリキュラムの作成に当たっては、地域の特色や児童生徒の実態を十分に考慮し、目標や育むべき能力、取り扱う内容を精査することが重要です。本誌においても、小中一貫教育の研究を進めており、その実践研究の家庭で、地域の産業や自然環境、歴史・文化、教育施設、人的素材等を活用した龍ケ崎市独自の学習スタイル・カリキュラムの再編成についても検討してまいります。

【油原】小・中一貫教育の議論では「学校の適正規模への対応(小学校の統廃合)」、「施設一体型・施設分離型等のシミュレーションが中心のような気がします。「義務教育9年間連続した学びの中で何を目指すのか」の議論が大切ではないでしょうか。「9年間の教育を通して身に付けたい力・目指す子供像を共有化して、系統的な教育を行う」「9年間を見通した弾力的・効果的な龍ケ崎独自のカリキュラムを編成・実施する」この事が重要ではないでしょうか。

*豊かな感性・郷土を愛する心を育てる高岡市「ものづくり・デザイン科」の取り組みについて

【油原】高岡市には、銅器や漆器などの伝統工芸をはじめとするものづくり文化や、万葉ゆかりの地としての万葉文化など、世界に誇る文化が多く存在しています。「ものづくり・デザイン科」は、高岡市独自の特色ある教育であり、児童生徒自身が自分の感性でデザインを考え、高岡市に伝わる伝統産業そのものを体験することにより、豊かな感性と郷土を愛する心を育み、また優れた技術を持つ地域の人々との交流を通して、ものづくりの楽しさや完成の達成感を味わう中で、自ら主体的に取り組む態度や創造力、ひとつのものに取り組む集中力や忍耐力、協調する態度の醸成が図られているとのことです。ものづくり・デザイン科の授業は、小学校5年・6年・中学校1年が対象で、年間35時間総合的な学習の時間などを再編成して必修教科として展開しています。龍ケ崎市の総合的な学習の時間の取り組みについてお伺いします。

【教育部長】本市におきましては、総合的な学習の時間について、龍ケ崎市学校教育指導方針で、「身に付けさせたい力を明確にして、小学校3年から中学校3年までの7年間を見据えた継続的な学習を展開すること」「各学年、年間4回以上地域人材の協力による学習活動を展開すること」を努力目標に掲げ、各学校に指導助言を行っております。具体的には、「ワールドキャラバンやJICA研修生の協力で外国の文化を学ぶ国際理解教育」「龍ケ崎発見フォトラリーを活用した、地域の歴史や伝統文化を体験的に学ぶ郷土学習」「社会科や理科との関連の中で、ごみ問題や水質浄化に主体的に取り組む態度を育む環境学習」「シニア体験やアイマスク体験などの疑似体験から福祉・健康の重要性について考える学習」「人はなぜ学び、なぜ働くのかを考え、様々な職業について知る職場体験学習」「地域の専門家を招いての茶道体験や俳句づくり」などが行われています。

【油原】「郷土の文化を知り、文化に親しむ」「郷土に誇りをもったり、郷土のよさを再発見する」郷土の伝統工芸や産業について、見たり触れたり体験したりすることにより、郷土を愛する心を育てることは、児童生徒にとって大切な「育てたい資質」の一つではないでしょうか。高岡市「ものづくり・デザイン科」を踏まえた龍ケ崎市の取り組みについて、考え方をお伺いします。

【教育部長】各小中学校における総合的な学習の時間の取り組みについては地域や学校の実態に応じて、児童生徒の「育てたい資質や能力及び態度」を設定し、各学校の創意工夫を生かした教育活動を計画、実施することが重要となります。本市にも、地域の名産品となっている農産物や工業製品、児童生徒が誇りを持てる伝統文化や食文化があります。総合的な学習の時間の題材として、学校への情報提供に務めるとともに、学校や関係機関と連携協力して「龍ケ崎のまちと人を愛し、その持続的な発展を支える人材」を育成できるような題材の開発や指導方法の研究を進めてまいります。

【油原】高岡市の歴史・文化を知る一つの手段として「見て、聞いて、ふれて、高岡のよさを再発見しよう!高岡再発見プログラムスタンプラリー」の紹介がありました。日本遺産や博物館など40ポイントを定め、15ポイントで認定バッチ、25ポイントで認定書と高岡歴史っ子グッズ、35ポイントで認定書と高岡歴史っ子スーパーグッズと高岡歴史っ子ガイドに認定するなど楽しみながら高岡を知って郷土愛を育む取り組みです。高岡再発見プログラムスタンプラリーと龍ケ崎市の取り組みについてお伺いします。

【教育部長】当市の取り組みですが、今年度4月29日から8月31日の期間で、「龍ケ崎発見・フォトラリー」を初めて実施いたしました。龍ケ崎市学校運営研究会と生涯学習課が協働で実施したもので、小学3年生が休日や夏休み・放課後等を利用して、保護者や同級生と一緒に指定された史跡、神社・寺院等6ヶ所を訪ねて写真を撮影し、感じたことや発見したことを、あらかじめ配布された台紙にまとめるものです。併せて、各所の協力により置かせていただいたスタンプを台紙に押して集めるラリー形式を採用したものです。生涯学習課において、その場所に因んだデザインを作成したスタンプにしたところ、児童たちはとても喜んでスタンプ集めを楽しんだようです。8月17日から、市役所1階ホールに各小学校の児童の力作を史跡ごとにパネルに貼り出し展示を行いました。初めての試みでありましたが、児童が楽しみながら郷土の歴史を学ぶ姿が見られました。 当市としてもこの取り組みを今後も継続・発展させていくことにより、児童の豊かな感性やふるさと龍ケ崎に対する愛着を育てていきたいと考えております。

【油原】郷土の歴史・文化を知り、郷土への愛着を育てる取り組みとして、効果的な事業ではないかと思います。より一層充実した事業となりますことを願っています。

*富山型デイサービスと居場所づくりについて

【油原】年齢や障害の有無にかかわらず、だれもが一緒に身近な地域でデイサービスを受けられる場所、それが富山型デイサービスです。「老人施設ではなく、家で死ぬことを願っているお年寄りをどうにか手助けできないか」「最後までその人らしく、その人に会った生活をサポートする事業所を作りたい」「誰もが必要な時に必要な支援を受けることができる、小規模で多機能な宅老所のような居場所づくりを目指したい」このような思いから民間デイサービス事業所として始まりました。富山型デイサービスの特徴は、一般住宅をベースとして、利用定員が15人程度であり家庭的な雰囲気が保たれている「小規模」である。高齢者、障害者、障害児、乳幼児など利用者を限定せず、誰でも受け入れ対応する「多機能」である。身近な住宅地の中に立地しており、地域との交流が多い「地域密着」である。富山型デイサービスの効用の一つに、地域にとって、地域住民が持ち掛けてくる様々な相談に応じる、地域住民の福祉拠点としての効果が大きいとのお話がありました。現地調査の機会をいただきまして、「デイケアハウにぎやか」を施設見学しました。住宅地の一角にオープンスペースを基調とした一般住宅が「ケアハウスにぎやか」です。身体障害、知的障害、精神障害、高齢者の利用者が、家庭的な雰囲気の中で、自然に過ごしているという感を強く持ちました。軒先では、近所のお年寄りがスタッフとお茶会、デイサービス施設というよりも地域のたまり場、居場所という雰囲気です。さて厚生労働省は、平成26年6月に示した介護予防・日常生活支援総合事業ガイドラインの中で、「生活支援の充実、高齢者の社会参加・支えあい体制づくり、介護予防の推進」等を基本的考え方の柱に挙げ、住民活動も含めた多様なサービスを構築、展開していくよう求められています。その中でも高齢者の社会参加・支えあい体制づくりについては「居場所づくり」として、全国でも様々な取り組みが紹介されるようになってきました。「介護予防」を含めたこの「居場所づくり」、この課題をどう解決していくかについては、今後の高齢者施策、介護保険施策の大きなテーマではないでしょうか。当市の高齢者の「居場所づくり」についての考え方についてお伺いします。

【健康福祉部長】ふるさと龍ケ崎戦略プランにおいて、高齢者の居場所づくりとして事業が位置付けられ、実施に向け検討してまいりました。しかしながら、高齢者の方々が集う場を用意するにあたっては、バリアフリー化、建築基準法や消防法の規制等、解決すべき課題も多くございました。そこで、場所をつくるのではなく、地域で意欲的に活動されている方々の支援の方法を検討する、という考え方に改めました。高齢者の方には、趣味や仕事、社会参加に意欲的に取り組まれる方がいる一方で、閉じこもりがちで人間関係も希薄になりつつある方もいらっしゃいます。地域で介護予防活動や居場所的活動、支えあい活動がこうした方々の受け皿となり、「近くの人々が支えあい生活できるまち」を目指すという趣旨のもと、現在取り組みを進めているところです。

【油原】視点を変えて課題解決に取り組んでいるということについては、大変心強く感じます。「近くの人々が支えあい生活できるまち」を目指すということについても、「居場所」という観点からも「共生社会」という観点からもよい取り組みと考えます。そこで、現在検討している支援の方法についてお伺いします。

【健康福祉部長】地域支援事業の施策のひとつ、地域介護予防活動事業の中で支援していくことを考えています。支援対象者は、市内において、介護予防を含めた健康・生きがいに関する活動を実施している団体等です。活動場所は、集会所、民家や空き室を利用して、おおむね65歳以上の高齢者が集い、介護予防を含めた健康・趣味・生きがいに関する活動を実施しながら、高齢者相互の交流を図っていただきます。支援の内容ですが、開催回数及び活動人数に応じて、活動運営費・施設維持費、また活動初年度については開設準備費を支援することを考えています。

【油原】自主活動をされている方々、また今後活動を始めようとされている方々にとっても背中を押してくれる支援策と思います。ぜひ実現に向け、取り組みを進めていただきたい。そこで、これら活動支援を実施することの効果についてお伺いします。

【健康福祉部長】住んでいる自宅の近くで活動があることから、気軽に参加することが出来る、人と人との出会いが生まれる、そこで誰かと話をする、または誰かが話をしているのを聞いているだけでもいい、そこから人と人とのつながりが生まれます。その中で顔見知りができ、ちょっとした「お願い」や困りごとも相談できるようになります。できればそこから小さな助け合いや支えあいが生まれてくれればと考えております。「できる人ができる時にできる事を」そうした活動が少しずつでも地域で育っていくよう支援してまいります。

【油原】地域でそのような取り組みが展開されることにより、地域の高齢者の社会参加が促され、地域の元気につながっていけばと考えます。最後に、事業の実施時期・支援する規模についてお伺いします。

【健康福祉部長】今年度中に実施要綱を取りまとめ、平成29年度より実施することを検討しております。市広報等で周知を図りながら、まずはモデル事業的に実施し、今後活動を予定されている皆さんの参考にしていただければと思います。

【油原】この取り組みが、高齢者だけに限定されるのではなく、子供など多世代が交流することで、さらに自然で多様な触れ合いがもっと広がり、また同世代の人だけが集まるのとは違う場の効果が様々な形で生じれば、さらに素晴らしい活動になるのではと思います。目指すべき居場所づくりは「新しい形の福祉サービス、富山型デイサービス」ではないでしょうか。人が主体的にかかわり、自分を生かして様々な活動を行う、このことは一朝一夕に実現できるものではないと考えます。「最初から全てを完璧にする必要はなく、やっていきながら中身を作り上げていく」「最初から行政ばかりに頼らず、自分たちが出来ることから考えていく」という緩やかな取り組みも必要であろうと思います。「近くの人々が支えあい生活できるまち」を目指し、この事業の実現に向け進めていただきますよう要望します。
スポンサーサイト